レビュー
グローグーの可愛さは反則級、しかもアニマトロニクスで魅せてくる
なんといっても本作の主役は、ディン・ジャリンではなくグローグーなんじゃないかと思うくらい、とにかくグローグーが可愛いです!相変わらずの仕草と表情で、出てくるだけで画面の空気を持っていってしまいます。
個人的にいちばん見入ってしまったのが、途中から登場するアンゼランたちと一緒に行動する場面で、まるで人形劇を見ているような感覚になりました。というのも、このシーンのアンゼランたちの質感がかなりアニマトロニクス寄りで、ストップモーションとまではいかないものの、CG感がほとんど無く、画面の中で実際に手元で動かしている人形のような手触りを感じました。
闘技場のバトルは見応えあり、でもドラマ版の完成度を逆に実感
マンダロリアンといえば、やっぱりアクションも見どころです。本予告でも流れていた、闘技場でロッタ・ザ・ハットと戦うシーンは、なかなかに見応えがありました。ジェットパックやウィップコードを使った立ち回りはマンダロリアンならではで、大きなスクリーンで観るとやっぱり気持ちがいいです。
ただ、ドラマ版を観たのが結構前ということもあってか、劇場版になったことで取り立てて代わり映えしたという印象は、あまり受けませんでした。スケール感やアクションの密度に「劇場だからこそ」と唸らされる、という感じまではいかなかったかなと思います。
そう考えると、これはドラマ版のアクションの完成度がそもそも高かったということなのかなと思います。配信ドラマでありながら毎話あれだけのクオリティを出していたシリーズなので、劇場版でその水準が大きく跳ね上がるのは、そもそも難しかったのかもしれません。
ドラマ未履修でも置いていかれない、番外編としての立ち位置
本作はスター・ウォーズとしては約7年ぶりの劇場長編で、ドラマシリーズ「マンダロリアン」の流れを汲む作品です。ドラマ版を全部観ているので言いますが、シーズン1はマンダロリアンというシリーズのコアになる部分なので、できれば観ておいてほしいなと思います。
とはいえ、昨今の「配信を契約していない人は観られない」という事情にも配慮されているのか、ドラマを知らない人がいきなり本作を観ても置いていかれないように作られているなと感じました。マンダロリアンは旧来のスター・ウォーズ映画には出ていないキャラクターなので、予備知識が無いと「ボバ・フェットの親戚かな?」くらいの見え方になりますし、グローグーも一時期さんざん言われていた「ベビーヨーダ」の印象そのままで観てしまう可能性はあります。
それでも、マンダロリアンとグローグーというキャラクターと、その関係性を、見たまんま受け取るのにそんなに労力はいりません。関係性の背景を知っていれば、二人の成長をより深く感じられるとは思いますが、本作を楽しむうえで絶対に必要というほどの重要度ではないなと感じました。
ちょっと気になったのは、マンダロリアンといえば「我らの道(This is the Way)」という決めゼリフが印象的で、一族の背景を描くうえでは欠かせないキーワードなのですが、本作では一度しか出てこないところです。そのあたりも含めて、本作はシリーズの本筋を大きく動かすというよりは、番外編的な立ち位置の脚本だなと感じました。これが、大満足とまではいかなかった理由でもあります。
ちなみにウォード大佐やカーソン・テヴァといったお馴染みの面々も、しっかり要所で登場します。ただ観ていると、なんだか「みんな年を取ってきたなあ」と、現実の時間の流れまで一緒に感じてしまいました(これは作品の出来とは関係ない、こちら側の感想なのですが…)。
まとめ
グローグーの可愛さやアンゼランたちとの場面、闘技場のアクションと、見どころはしっかりありつつ、シリーズの本筋を大きく揺らすような作品ではない、というのが観終わっての全体的な手触りでした。だからこそ本作は、スター・ウォーズの本筋をガッツリ追いかけたい人に向けたものというよりは、マンダロリアンとグローグーの旅をもう一度大きなスクリーンで楽しむための、気軽に観られる番外編という位置づけがしっくりきます。
ドラマ版を全部追いかけてきた人はもちろん、これからスター・ウォーズに触れてみようかなという人でも、すっと入っていけると思います。なんといってもグローグーの可愛さは反則級なので、気軽にマンダロリアンとグローグーの世界に戻れる作品として、劇場でその空気に触れてみてほしいなと思います!
作品情報
あらすじ
帝国が崩壊し、無法地帯と化した銀河に生きる、どんな仕事も完璧に遂行する孤高の賞金稼ぎマンダロリアンと、強大なフォースを秘めた存在グローグー。
帝国の復活を狙う新たな戦争を阻止する最後の希望は、父子を超えた絆で結ばれたこの二人に託された…。
トレーラー
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