引用元:映画『ヴェノム』公式(公式X)
レビュー
ヴェノム3部作最終章
本作「ヴェノム:ザ・ラストダンス」は「ヴェノム」「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」から続く、トム・ハーディ主演のヴェノムシリーズ3部作の最終章です。
ヴェノムといえば、日本だとトビー・マグワイアが主人公のスパイダーマンを演じる「スパイダーマン3」で登場した黒いスパイダーマンというのが初見だった方も多いのではないかと思います。
その頃の印象からヴェノムはどちらかといえばヴィラン側・ダークヒーローといった立ち位置で見ることのほうが多い印象だったのですが、本シリーズでは第1作目の「ヴェノム」によって大きく印象が変わり、「ヴェノムが可愛すぎる」と大きな話題になりました。
そんなヴェノムの最終章というだけあって、最後かと思うととても寂しい感じがある気持ちで鑑賞しました。
闇の創造神ヌル
今回のメインヴィランとして告知されているのが「ヌル」です。
ヌルは宇宙が創造されるよりも前から存在していた神で、MCUのメインヴィランとして描かれていたサノスと比べると凶悪さが比較にならないレベルではないかと思わされます。
本作ではこのヌルが幽閉されている世界から解放されるための鍵となる「コーデックス」をヴェノムが持っていることを知り、手下を送り込むという筋書きです。
このヌルが送り込んでくる手下のクリーチャーがなかなかにホラーな造形&行動で、「クワイエット・プレイス」に登場したクリーチャーにも似ていて、1匹だけでもかなりの絶望感を感じさせてくれます。
ただでさえヴェノムをはじめとするシンビオートの存在だけでもかなりダークなのに、そこにヌルやその手下のクリーチャーが登場する本作は、過去2作の中でも群を抜いてダークでシリアスでスリリングな出来栄えとなっています。
ハートフルなヴェノム
ストーリーの中核がかなりダークな本作ですが、本シリーズが人気の理由であるヴェノムのハートフルで可愛い一面も健在です。
旅の道中で出会う家族との幸せそうなひと時や、1作目から登場しているコンビニの店長だったチェンさんと愉快にダンスする姿は、さらにヴェノムを推したくなること間違いなしです。
このハートフルな展開を見せておいてからの本筋に引きずり戻される感覚が、ジェットコースターのように感情を揺さぶられているようで、思い返すと天国と地獄の両方を見てきた様な感覚すらあります。
まとめ
本作が最終章となるヴェノムですが、今後の展開としてヴェノムの扱いはどのようになるのでしょうか?
原作ではトム・ハーディ演じるエディ・ブロック以外を宿主としているヴェノムも登場しているため、他の俳優とヴェノムの組み合わせで新しいヴェノムを見られる可能性もあり得ると思っています。
それにまだ回収されていない伏線として、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のラストで残されたシンビオートの欠片など、ヴェノムが再びスクリーンに戻ってくる材料は多く残されていると思われます。
一旦、シリーズとしてのヴェノムは本作が最後ですが、今後の展開に期待をしつつ、ヴェノムとエディの最後の勇姿をぜひ劇場でご覧ください!
作品情報
あらすじ
<俺たち2人>でいることが、世界を破滅に導く――
ヴェノムに隠された秘密を知るシンビオートの<神>ヌルが
2人を分かつ最大最凶の敵として登場!
シリーズ最大スケールで描かれる2人の決死の逃亡劇と、
ヴェノムの秘密を狙って容赦なく立ちはだかる
最強シンビオートとの壮絶な戦い。「あいつは相棒なんだ」
「エディ、最期まで一緒だ」
あたり一面が火の海と化すラストの死闘の末に<俺たち>2人が迎える最終章(ラストダンス)