引用元:映画『マダム・ウェブ』オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
レビュー
MCUとの関係
本作はディズニーが展開しているMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に属さず、ソニーが展開するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)に属する。
他のSSUにはヴェノムやモービウスなどがあり、主にスパイダーマン関係のユニバースとして展開されていくものだ。
そのため、今後の展開としてマダム・ウェブとヴェノムやモービウスが同じスクリーンに登場する映画が作られる可能性も考えられる。
マダム・ウェブって何者?スパイダーマンとどう違う?
今作のマダム・ウェブが使う主な能力は未来予知。これはスパイダーマンが使うスパイダーセンスともちょっと似ているが、スパイダーセンスをより具体的に強化したようなものといったイメージ。
スパイダーセンスが、ONE PIECEでいうところの見聞色の覇気やNARUTOの写輪眼だとするならば、マダム・ウェブの未来予知は、時をかける少女やサマータイムレンダのタイムリープくらい本質が違う。
また、マダム・ウェブの能力の根本は親からの遺伝というような表現方法で描かれており、救助活動中にあう事故によってスーパーパワーに目覚める。
これに対してスパイダーマンは放射線を浴びた蜘蛛に噛まれることでスーパーパワーを得る。
このようにスーパーパワーのオリジンから異なっているため、同じスパイダーでも全然違うヒーローとなる。
黒いスパイダーマンみたいなやつは何?
引用元:映画『マダム・ウェブ』オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
黒いスパイダーマンのようなやつの正体は本作のメインヴィランとなるエゼキエル・シムズ。
エゼキエルの能力はおおよそスパイダーマンと同等レベルの能力を持っており、壁や天井に張り付いて移動することもできる。
スパイダーマンとの違いは、マダム・ウェブほどではないが断片的な未来予知が可能であることと、ウェブシューターを持っていないため蜘蛛の糸を出すことができないというところ。
見た目が似ているからと言って、決してマイルス・モラレスでもシンビオートに寄生されたブラックスパイダーマンでもナイトモンキーでもない。
マダム・ウェブと行動を共にする3人の少女は?
PVでも登場している3人の少女の正体はいずれも蜘蛛のスーパーパワーを持つヒーローとなる少女たち。
エゼキエルは未来予知で少女たちがスーパーヒーローとなるのを阻止しようとするが、たまたまその場に居合わせたマダム・ウェブに阻まれていくというのが本作の大筋。
未来予知や蜘蛛のスーパーパワーの表現
本作では直接的な蜘蛛が出てくる場面もあるが、そうでない場面でもいたるところで蜘蛛を思わせる表現がある。
例えばガラスに入ったヒビや未来予知の能力を使う際のエフェクトなどに蜘蛛の巣や蜘蛛の糸のように見える表現を強調して採用しているように感じる。
確かに、ただの未来予知だけでいえば蜘蛛との接点は無いように感じてしまうため、その対策なのかもしれない。
また、マダム・ウェブの主な能力となる未来予知に関しては劇中で何度となく使用され、未来予知が始まる際の合図のようなものがないため、見ている側からすると、「今見せられているのは実際に起こっていることか?それとも未来予知の映像なのか?」というように、考えれば考えるほどにだんだんと混乱するようになっている。
おそらくこれはマダム・ウェブ本人も同じような感覚に陥っているのではないか?というのが、劇中の演技や表情から読み取れるため、狙った演出なのだろうと思うと、上手く作られているなと関心できた。
評判は酷評?二度とやらない?
ねとらぼがこのような記事を公開しています。
マーベル最新作「マダム・ウェブ」酷評&成績不振も、主演俳優は“納得” 「二度とやらない」と制作プロセスの問題ぶっちゃけ
記事内で比較先として槍玉に挙げられているモービウスも同じSSUの映画ですが、個人的にはモービウスよりも世界観に入りやすく、設定もわかりやすくて面白いと感じました。
台詞回しに関しては、日本語吹き替えで見たため印象に残らなかったのかもしれませんが、確かにヴィランのエゼキエルはもう少しヴィランっぽく恐怖心を煽るような演出があっても良かったのかもしれない。
「二度とやらない」と発言したマダム・ウェブ役のダコタ・ジョンソンですが、そこまで言われるとどうしても悲しく感じてしまいます。
実際に二度とマダム・ウェブを演じないとした場合、SSUとして展開されたにも関わらず他の作品とのクロスオーバーの期待値も下がってしまいます。
かつてハルクを演じたエドワード・ノートンが降板しマーク・ラファロに変わった時の繋ぎは、さすがに同一人物としては見ることができずに無理があるだろうと感じていました。
ダコタ・ジョンソンにこんなことを言わせてしまったことを教訓に演者・脚本家・鑑賞者・みんなが楽しむことのできる作品を作ってもらいたいと切に願っています。
まとめ
評判があまりよくないとはいえ、普通に映画として、とても楽しめました。
登場するキャラクターたちも、今後のSSUでどのような活躍を見せてくれるのかがとても楽しみになる作品です。
昨今、ヒーロー映画疲れなんていう言葉も使われていますが、鑑賞者側の目が肥えてきたのかなとも思います。
同じように興行成績の振るわなかったザ・フラッシュも、映画としてはとても楽しめたのですが、ザ・フラッシュであるという前提があるが故に、もっと良いものができたのではないか?というような期待値のハードルが上がってしまったように感じました。
本作も似たような感覚はあり、特に日本でもかなり人気のスパイダーマンを直接連想させるようなヒーローであるが故に求められるハードルが必要以上に上がってしまい、それが結果的に脚本や演出に影響を与えてしまったのかもしれません。
とはいえ、感想なんてものは十人十色なので自分で見てみないと何も語ることはできません。
まだまだSSUは始まったばかりで展開できる作品の幅も広いと思うので、これからの作品に期待したいです。
作品情報
あらすじ
ニューヨーク。救急救命士として働くキャシー・ウェブは、一人でも多くの命を救うため日々奮闘していた。
ある時、救命活動中に生死を彷徨う大事故に巻き込まれてしまう。 それ以来、キャシーはデジャブのような奇妙な体験を重ねるのだった。 自分に何が起きているのか戸惑うキャシーだったが、偶然にも出会った3人の少女たちが、黒いマスクの男に殺される悪夢のようなビジョンを見てしまう。
それが未来に起きる出来事だと確信したキャシーは、少女たちを助けることを決意。未来が見えるという不思議な力を使い何度も危機を回避するが、謎の男はどこまでも追ってくる…。男の目的は一体?なぜ執拗に少女たちを追うのか?
やがて明らかになる、少女たちの“使命”とキャシーの能力の秘密。
少女たちを守る先に、彼女が救うことになる“未来”の正体とは――?
引用元:映画『マダム・ウェブ』オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
トレーラー
視聴方法
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