引用元:A24公式(公式X)
レビュー
良い意味でエンタメ無しのガチ戦地最前線
前情報を入れずに鑑賞したのですが、A24作品ということもあり、最初は『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のように脚本で魅せるタイプの戦争ドラマだと思っていました。
ところが実際に始まってみると、その予想は良い意味で裏切られます。
驚いたのは、物語が実話をもとにしているだけでなく、監督自身が元アメリカ特殊部隊の兵士であり、しかも自分が経験した戦闘を再現しているという事実でした。
通常であれば思い出したくもない記憶を、映像として記録する行為には相当な覚悟が必要だと思います。
演出ではなく「実際にそこにいた者だからこそ撮れる映像」が、この映画の根底にあります。
一般的な戦争映画では、どこかにドラマやエンタメ性が存在し、ハッピーエンドやバッドエンドなどの「物語としての落とし所」が用意されています。
しかし本作にはそうした意図的な演出がほとんど感じられません。
観ていてただひたすらに“現場そのもの”が描かれる。
そこにあるのは「戦争のリアル」という一点のみで、その潔さが本作の最大の魅力だと感じました。
ドルビー上映で没入する戦地最前線
そして、ぜひ劇場で体験してほしいのが音響です。特にドルビーシネマでの上映は圧巻でした。
銃声ひとつをとっても微妙に音が違い、使用している銃の種類や距離感、反響まですべてリアルに再現されています。
戦闘機や戦車の移動音、遠くで響く爆発音など、どれも「その場にいる錯覚」を起こさせるほどの臨場感がありました。
中でも衝撃的だったのは、戦場の“静寂”を描く瞬間です。激しい銃撃音のあと、ふと訪れる一瞬の無音。
その静けさが、逆に恐怖と緊張感を倍増させます。
兵士たちの絶叫や息遣いも生々しく、観ている側はその痛みや混乱を五感で追体験することになります。
音に宿るリアルさこそ、この映画が最もこだわった部分だと思います。
その音響によって、スクリーンに映る光景はまるで自分の目の前で起きているかのように感じられます。
土煙の匂いが立ち上るようで、砂埃のざらつきまで想像できるほど。
四方八方から聞こえる銃撃音の中で「次の瞬間、自分も撃たれるのでは」と錯覚するほど没入してしまいました。
まさに映画というより「戦場を体験する95分」でした。
まとめ
今まで多くの戦争映画を観てきた方でも、この作品のリアリティには驚くはずです。
音響・映像ともに最高レベルの臨場感で、戦場という極限空間を“体験”できる本作。
覚悟をもって挑む価値のある一本です。
劇場で観る場合は、ぜひドルビー上映で。戦争映画の概念が変わるかもしれません。
作品情報
あらすじ
<極限の95分、映画史上最もリアルな戦場に、あなたを閉じ込める>
2006年、イラク。監督を務めたメンドーサが所属していたアメリカ特殊部隊の小隊8名は、危険地帯ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務についていた。
ところが事態を察知した敵兵から先制攻撃を受け、全面衝突が始まる。
反乱勢力に完全包囲され、負傷者は続出。救助を要請するが、さらなる攻撃を受け現場は地獄と化す。本部との通信を閉ざした通信兵・メンドーサ、指揮官のエリックは部隊への指示を完全に放棄し、皆から信頼される狙撃手のエリオット(愛称:ブージャー・ブー(鼻くそブーの意))は爆撃により意識を失ってしまう。
痛みに耐えきれず叫び声を上げる者、鎮痛剤のモルヒネを打ち間違える者、持ち場を守らずパニックに陥る者。彼らは逃げ場のない、轟音鳴り響くウォーフェア(戦闘)から、いかにして脱出するのか。
引用元:ウォーフェア 戦地最前線|FILMS|A24×Happinet Phantom Studios




