引用元:映画『逃走中 THE MOVIE』公式(公式X)
レビュー
世間の評価は酷評過ぎて逆に見たくなるレベル!?
バラエティ番組の逃走中、好きな方は結構いるんじゃないでしょうか?本作はその映画版というところで、フジテレビ系列の各種番組で番宣されていたり、逃走中の中でもその演出がされたりと盤石な宣伝がされていました。
ゲーム化やアニメ化が結構人気のあるコンテンツではあると思うので気になる方も多いのではないかと思うのですが、各種SNSやレビューサイトでは酷評が相次いで大喜利状態となり、逆に見たくなるレベルであるとYahooニュース等の記事になっていました。
事前にそのニュースを見てグッとハードルが下がった状態で鑑賞したのですが、正直なところ酷評ばかりなのもわかるなぁという出来栄えでした。
メインのターゲット層はどこ?
バラエティ番組の逃走中が映画化ということもあり、子供・ファミリー層向けかな?と当初は思っていました。
東映だからか、東映特撮ヒーロー系でよく使うロケ地が撮影地として使われているシーンがちょいちょいあって、そういう点では「おっ」ってなるところはありましたが、子供向けか?って言われるとちょっとワイルドハンターがホラー過ぎて小さいお子様にはトラウマ級…。
HIKAKINをはじめとするバラエティ番組の逃走中の方に出演歴のある芸能人組が目当てだとすると、ちょい役のかませ犬過ぎて物足りず。
映画好き層からすると前述のように酷評の嵐という状況で、純粋に映画を最後まで楽しめるのって、主演のJO1・FANTASTICSが好きなファン層だけじゃないかなぁ?という感想でした。
ドラマ仕立てにしたのが裏目に
逃走中っていわば「大人が本気でやる鬼ごっこ」なんですよね。子供のやる鬼ごっことは違って、いい大人が賞金をかけてガチの鬼ごっこをしていく中で生まれる人間ドラマだったり緊張感というところが魅力だと思います。
そんな中、映画化ということでバラエティ番組をただ拡大したものではなく、あえてドラマパートに注力したとのことなのですが、これが原因でテンポ感が悪くなってしまい「そんなこと喋ってないでさっさと行動しろよ!」と突っ込みたくなるようなシーンが多く緊張感が感じられなくなってしまいました。特撮界隈でいうところの「変身中に攻撃しろよ!怪人!」っていうやつですね。
序盤はしっかり逃走中をやっていた感じがあったのですが、ワイルドハンターが登場してからはデスゲームとなるためより緊張感が増すべき展開なのに、むしろテンポの悪さを際立たせてしまうような事態に。
ドラマの脚本自体は別に悪くはなかったと思うのですが、逃走中でやる必要は無かったかなという印象。どちらかというと「ダーウィンズゲーム」「仮面ライダー龍騎」「バトル・ロワイヤル」のようなデスゲーム系が題材であればもっとハマったんではないかなと思いました。
見どころ・楽しめるところもしっかりとある
酷評が目立ってしまいますが、それでも見どころ・楽しめるところもちゃんとあります。
映画泥棒とのコラボ映像
まず映画好きにはたまらない映画泥棒と逃走中ハンターとのコラボ映像が映画上映前に放映されます。
今現在の映画泥棒はパルクール主体の逃走映像(むしろこっちの方がちゃんと逃走中のような)が全国的に使われているかなと思うのですが、そのコラボ映像は昔ながらのダンスと音楽が使われていて、懐かしさでやばかったです。
芸能人組の魅せ方
ここはさすがフジテレビのバラエティだなというところで、登場する芸人さんやゆるキャラの扱い方がなかなかに秀逸です。
この芸人さんはこういう扱い方で良いんだよ!この雑な感じが持ち味だよなー!なんて思いながら笑ってしまうような場面も。
特にたくさんのレビューの中でも書かれていたのですがガチャピンが登場するシーンは、ある意味で一番「逃走中っぽい」盛り上がりのピークといっても過言ではないかなと思います。
実は凄技を魅せるワイルドハンター
通常の逃走中に登場するハンターは、視界に捉えた逃走者を猛スピードでロボットのように追跡する存在です。
中盤以降に出現するワイルドハンターはかなり獣的な動きで逃走者を追い詰めます。
そのため、通常のハンターでは絶対に行わないパルクール的な追跡が可能で、その追跡能力は逃走者を追い詰める速度と障害物を軽々乗り越える技術はなかなかに圧巻です。
まとめ
酷評がどうしても目立ってしまう本作ですが、怖いもの見たさな感じで見る分には楽しめる部分はちゃんとあったかなぁという印象でした。
ただやはり逃走中らしさっていうのをもっと出して欲しかったなというのは否めないです。
ぜひ映画館で!とは正直なところ言い難いですが、VOD等の見放題に落ちてきた際には一度見てみても良いんじゃないかなと思います。
評判と興行収入次第ではもしかすると続編制作があるかもしれないですが、大元がバラエティ番組としてしっかりしているので、そちらを特番という形で拡大枠で放送とかするほうが合っていそうな気がするので、今後の展開がどうなっていくのは要チェックです。
作品情報
あらすじ
高校時代、ともに陸上部だった大和・瑛次郎・賢・陸・勇吾・譲司。
全員でおそろいのミサンガをつけるほど仲の良いメンバーで、良きライバルとして競い合っていた。高校卒業後はそれぞれの道を歩んでいた6人。ある日、彼らのもとへ「逃走中」参加者招待のメールが届く。
【逃走中 ~MISSION IN TOKYO ~開催決定!賞金総額1億円オーバー!】
変わらぬ毎日に退屈していた大和をはじめ、それぞれの想いや野望を抱える6人はゲームに参加することに。「ハンター放出」の合図でいよいよゲームがスタート!必死にハンターから逃げる参加者たち。
その中で、バラバラになっていた元陸上部の6人は久しぶりの再会を果たす。
しかし、それぞれの事情があり、かつての絆は失われていた…。そんな中、緊急事態発生!!ゲームを管理するクロノス社が何者かに乗っ取られ、一部のハンターが暴走、制御不能に!?
捕まった途端に黒い影に覆われ消滅してしまう参加者たち。「これはゲームではない! 殺人ハンターから逃げろ!」
新しいゲームマスター〈K〉とワイルドハンターによりゲームは支配されてしまった!「ココカラハ、アナタ方ノ命ヲ賭ケテ走ッテモライマショウ」
突然〈命賭け〉のゲームと化した逃走中!生き残ったら賞金はなんと100億円!?莫大な賞金と、数々の超危険なミッション。
生き残れるのは誰なのか、そして6人の絆は戻るのか…?大切なのは、金か命か?究極の「逃走中」がスタートする!
引用元:『逃走中 THE MOVIE』