【レビュー】ザ・ウォッチャーズ

ザ・ウォッチャーズ
引用元:ワーナー ブラザース ジャパン(公式X)

レビュー

イシャナ・ナイト・シャマランの長編監督デビュー作

本作、ザ・ウォッチャーズの監督であるイシャナ・ナイト・シャマランは、「シックス・センス」や「サイン」、最近だと「オールド」を監督したM・ナイト・シャマランの娘さんになります。

M・ナイト・シャマラン監督の作品は、洋画ホラーあるあるのグロ描写だったり急な音と映像で驚かせてくるようなものではなく、不気味な設定・世界観からくるゾクゾクっとする怖さを見せてくれる作品が多い傾向にあると思います。
さらにクライマックスにかけて、思いもよらない展開を用意してくることもあり、他の映画よりもネタバレに細心の注意を払う必要があるといわれています。

イシャナ・ナイト・シャマラン監督もM・ナイト・シャマラン監督の作品をみて育ってきたというのもあり、本作、ザ・ウォッチャーズも、ゾクゾクっとくるホラー系統で、クライマックスにかけて起こる展開が特徴の一つだと思います。

日常から突如として異質な世界に閉じ込められる

映画の序盤は主人公となるミナの日常が描かれます。

この日常はミナがどういった性格・キャラクター性を表現するパートになるかなと思うのですが、個人的にはちょっと蛇足感強かったかなという印象でした。

そんなミナの日常からとある理由で森の奥深くに向かうのですが、その道中の表現が「シャイニング」の導入を彷彿とさせるシーンとなっており、さぁここからホラーが始まるぞ!と心の準備をさせてくれます。

逃げ場がない・何者かに監視されているという緊張感

森の中に足を踏み入れ、ガラス貼りというかマジックミラー貼りの小屋に辿り着くわけですが、この状況・設定がかなり奇妙。

小屋の中にはミナよりも長期間囚われている人たち、夜な夜な何者かに監視され、死なないためにルールに従って生活しなければいけないという環境。
一体誰がこの小屋を建設し、誰が生き残るためのルールを検証し決めたのか。

しかしそのようなことも考える余裕もなく、何者かの監視・恐怖から逃げつつこの森から脱出することに集中する必要があるという状況です。

思っていた展開とは違ったクライマックス

これは親譲りの映画展開というところもあるのでしょうか、クライマックスに向かうにつれて最初思っていた展開・設定とは違った方向性でストーリーが進行していきます。

最終的には、これはハッピーエンドなのかバッドエンドなのかどっちなんだ…?というような感想が残りつつ、鑑賞中に感じていたゾクゾク感が絶妙にいやーな感じに残るような後味になりました。

まとめ

イシャナ・ナイト・シャマラン監督のデビュー作というところもあり、若干荒削りに感じる部分もありましたが、それはある意味ではM・ナイト・シャマラン監督から受け継いだ味というところもあるかもしれません。

設定・世界観としてなかなかユニークで、洋画のゾクゾクホラーが好きな方にはたまらない出来になっているかなと思うので、ぜひ劇場で衝撃のクライマックスを体験していただきたいと思いました。


作品情報

あらすじ

地図にない
ガラス貼りの部屋
見知らぬ3人
”謎の何か”に毎晩監視されている―
が―?
何故―?

28歳の孤独なアーティスト、ミナ(主演:ダコタ・ファニング)は
贈り物を届けるために家を出て指定の場所に向かったのだが、そこは・・・・

引用元:映画『ザ・ウォッチャーズ』公式サイト

トレーラー