引用元:『クワイエット・プレイス』公式(公式X)
レビュー
クワイエット・プレイスシリーズの前日譚
本作クワイエット・プレイス:DAY 1は「クワイエット・プレイス」「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」に繋がる前日譚となる物語です。
鋭い聴覚と俊敏な動きを武器に人間を狩るクリーチャーが初めて地球に飛来した1日目を描きます。
DAY1にあった出来事は「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」の劇中で語られるシーンがありましたが、本作はそれを映像化したという作品になります。
混乱と沈黙
舞台となるのはアメリカのニューヨーク州にあるマンハッタン。
主人公は末期癌の女性で、ペットの猫と一緒にマンハッタンを訪れていた時にクリーチャーが飛来します。
日常的に騒音だらけのマンハッタンに飛来したクリーチャーが暴れて街は大混乱に陥る中、軍のアナウンスにより”沈黙”することで襲われないということを告げられます。
過去のクワイエット・プレイスシリーズは、このDAY1を生き残った数少ない人たちの物語だったため、最初から最後まで沈黙を貫き通す必要のある世界観での物語でした。
本作はそのクリーチャーが飛来したDAY1ということもあり、マンハッタンには多くの人々が生き残っているのですが、やはり群衆というのは難しく、誰かが何かの拍子に音を出そうものならすぐに大混乱に陥るという緊張感がこれまでのクワイエット・プレイスシリーズよりも強く感じられ、息をすることすら躊躇ってしまうような空気感が劇場を包み込みます。
”沈黙”がテーマであるが故の鑑賞マナー
映画館で映画を鑑賞する前に、鑑賞マナーとして「喋らない」「携帯はマナーモード」などの案内はどの映画館でもされると思います。
この辺の鑑賞マナーは当然として、クワイエット・プレイスシリーズは作中の多くの場面で”沈黙”状態にあるため、劇場内でのちょっとした音ですら気になってしまう状況が長く続きます。
そのため、他の映画を見る際よりも気を遣った鑑賞マナーを個人的には推奨します。
- ドリンクを持ち上げたり置いたりする音やペットボトルの開封音
- ドリンクを飲み切った際のズズズっと吸い込む音
- ポップコーンの咀嚼音
- ポップコーンを探るときにぶつかるカップの音
- 指の関節が鳴る音
- 思わず漏れてしまう心の声
などなど、他の映画ではそこまで気にならない音であっても、”沈黙”しているシーンでこのような音が聞こえると、どうしても気になってしまい集中と緊張感を阻害してしまいます。
飲食するなとまでは言いませんが、せめて”沈黙”しているシーンではなるべく音を立てないようにしましょう。
でなければその人はクリーチャーに襲われてしまいます。
まとめ
クワイエット・プレイスシリーズは、元々低予算から始まった映画ということもあってか、世界観設定やストーリー展開について深掘りしていくと、どことなくガバガバな表現やシーンが見え隠れしてしまうのですが、短い上映時間の中で表現できることに限りがあるためだというところで、あまり深く考えすぎないようにして見るのが吉です。
とはいえ、”沈黙”をテーマにしてここまで劇場内に緊張ムードを漂わせる映画は他に類を見ないレベルだと思っています。
VOD等を使って自宅で鑑賞するのも良いですが、劇場でしか味わえない緊張でヒリついた感じをぜひ体験していただきたいです。
作品情報
あらすじ
“音を立てたら即死”は、この日[DAY 1]始まった―
物語は、ひとつの家族を襲ったあの衝撃から471日前、世界が沈黙した日[DAY 1]へと遡る。音を立てるものすべてに襲い掛かる謎の生命体が突如として大都市・ニューヨークに襲来し、猫を抱えた1人の女性は、“即死度MAX”のサバイバルを余儀なくされる。果たしてこの街に生き残る術など存在するのか。この絶望に、彼女はどう立ち向かうのか。そして、“音を立ててはいけない”というルールに人類はいかに辿り着くのか。究極のサバイバルの先に、彼女たちが見たものとは…
引用元:映画『クワイエット・プレイス:DAY 1』公式サイト