引用元:ワーナー ブラザース ジャパン(公式X)
レビュー
生命の大切さ
本作の主人公ミッキーは、違法な借金の取り立てから逃げるためによく契約書の内容も確認せずに地球外の星の探査チームに加わります。
そのチームでの役割が ”エクスペンダブルズ” と呼ばれる ”史上最強の使い捨て軍団” ではなく、文字通り ”命を使い捨て” にされる役割。
未知の惑星に一番に降り立っては有毒性のあるウイルスがいないかをチェックするために宇宙服を脱いで思いっきり深呼吸させたり、高濃度の放射線を浴びるとどのような変化が身体に起きるのかを観察されたりと、地球上では倫理的にNGの人体実験を行うという、人の生命をなんとも思わないような内容ばかり。
ミッキーは身体と記憶をデータとして保存されており、さながらGANTZのような技術で死んだ後、新しく複製されるという謎技術で生命の使い捨てを可能としています。
倫理的にどうかっていうのはおいておいて、実際にそのような技術が誕生されれば医療業界の進化は凄まじいことになること間違い無し!
しかも複製で作られる身体の材料が、糞尿やバクテリア等の有機物を始め、複製されたミッキーが死んだ後の死体まで使えるという永久機関さながらな性能。決して、お砂糖・スパイス・素敵なものいっぱい・謝って混入してしまったケミカルXのような偶然性が必須となるような材料ではないというのが優れもの。
そんな役割をもつミッキーが手違いで同時に2人存在してしまうというあらすじ。
そもそも命の使い捨てってなかなかにぶっ飛んだ設定だったのが、ミッキーが死にたくないという考えを見せるようになったことで、急に生命の大切さを視聴者に問いかけるような展開になかなかに揺さぶられました。
エイリアンとの共存
メインの舞台が未知の惑星というところで、当たり前のようにエイリアンもとい先住民が確認されます。
見た目こそ風の谷のナウシカの王蟲のような虫ですが、コミュニケーションが可能で社会性を持つ知的生命体。
この虫の仕草がなかなかに可愛くて癒されるのですが、人間側からすれば未知の生物である時点で恐怖の対象となってしまいます。
知らないものは怖いというのは、あるあるな話ではあるのですが、偏見を捨てて歩み寄ることが例えエイリアンであっても本来必要な対応であるというメッセージ性も感じられました。
まとめ
生命の使い捨てというなかなかにぶっ飛んだ設定の中で、極力グロを抑えながら暗くなりすぎないフランクな感じで表現できているのはすごいなと感じさせられました。
結構軽い感じで見に行っても楽しめる作品になっていると思います!
作品情報
あらすじ
主人公は、人生失敗だらけの男”ミッキー”(ロバート・パティンソン)。
一発逆転のため申し込んだのは
何度でも生まれ変われる”夢の仕事”、のはずが……。よく読まずにサインした契約書は、
過酷な任務で命を落としては何度も生き返る、
まさにどん底の”死にゲー”への入り口だった!現代からひとつの進化も無く、労働が搾取される近未来の社会。
だが使い捨てワーカー・ミッキーの前にある日、
手違いで自分のコピーが同時に現れ、事態は一変ーー予想を超えたミッキーの反撃がはじまる!
引用元:映画『ミッキー17』公式サイト