引用元:キノフィルムズ(公式X)
レビュー
実話に基づく極限状態!
本作は2013年に実際に発生した事故を基に作られた作品です。
2019年に同名のドキュメンタリー映画が反響を呼んで本作が作られたという経緯もあり、下手な脚色をせずに90分という比較的コンパクトな上映時間でここまで引き込ませるのは実話を基にしているからなのかもしれません。
当然、だだっ広く陽の光も届かない海底に取り残されるという話なので、海洋恐怖症の方は鑑賞が難しいかもしれません。
この手の映画にはサメがつきものっていうイメージがありますが、そのような生物的な恐ろしさがなくてもここまで緊迫感を表現できるのってすごいなと感心しました。
映像のリアルさ
撮影には実際に事故が起こった船に乗り、飽和潜水の作業手順や機材などの細部にこだわり作られたとのことで、見ていて本当に目の前で起こっている出来事のようにも思えました。
作中に実際の事後の映像を使用しているところもあり、そのすべてが実際にあったことであるという事実を突きつけられているような感覚で、いざ自分がこのような場面に遭遇したとして何ができるだろうか?取り残される側だったら?と考えるだけでも恐ろしくなります。
まとめ
事実は小説より奇なりとは言いますが、題材が馴染みのない分野なので、ちょうど良い非現実感と実際にあったというリアルさのバランスで、これはなかなかなものを見させられたなという感想です。
ぜひもっとたくさんの人に見てほしい!そんな作品でした!
作品情報
あらすじ
若き飽和潜水士のクリス(フィン・コール)が婚約者としばしの別れを惜しみ、スコットランドのアバディーン港で潜水支援船、タロス号に乗り込んだ。これから1ヵ月間、クリスが従事するのは、北海の海底に張り巡らされたガスのパイプラインを補修する定例のミッションだ。クリスがチームを組むのはベテランのダンカン(ウディ・ハレルソン)と、人当たりはぶっきらぼうだがプロ意識が強いデイヴ(シム・リウ)。深海の水圧に適応するための加圧チャンバーに入ったクリスは、そこで敬愛するダンカンが会社から引退を宣告され、これが最後の潜水になると知ってショックを受ける。
やがてタロス号は作業地点の海面に到着し、潜水ベルに乗ったダンカン、デイヴ、クリスは水深91メートルへと下ろされていく。完全な暗闇と静寂に支配された海底に降り立ち、マニホールドと呼ばれる構造物で補修を行うのはデイヴとクリス。ダンカンは潜水ベルにとどまって、作業の進捗状況を確認する役目を担う。
すべての行程は順調に進んでいたが、デイヴとクリスがマニホールドでの作業を開始して間もなく、海上のタロス号で思わぬトラブルが発生する。コンピュータ・シスタムが異常をきたし、折しも到来した暴風雨によって船体が流されてしまったのだ。いち早く異変に気づいたデイヴは作業を中止し、クリスとともに避難行動を取るが、クリスの潜水服に酸素や電力を供給するケーブルが構造物に引っかかってしまう。デイヴの指示で緊急ボンベに切り替えるが、緊急用の酸素は10分しかもたない。その直後、命綱が切れたクリスは深海の暗闇の彼方へと流されていった。
その頃、荒波に流され続けているタロス号の制御室では、潜水作業の監督官クレイグ(マーク・ボナー)、船長のアンドレ(クリフ・カーティス)らが懸命の対処を試みていた。通信不能になった3人の潜水士を救うためには、何としても船を作業地点に戻さなくてはならない。アンドレは危険を伴う手動操縦によって船を戻すことを決断。クレイグは無人潜水艇による探索で、マニホールドの上部で意識を失ったまま横たわるクリスを発見する。かろうじてクリスの生存反応は確認されたが、このときすでに緊急ボンベの酸素が切れてから7分以上が経過していた。しかもタロス号の船位を安定させるには、コンピュータ・システムを一刻も早く再起動させる方法を見つけ出さなくてはならない。それは、あまりにも絶望的な時間との闘いだった。
それでも深海の潜水ベルの中で待機するダンカンとデイヴも、タロス号の乗組員も、誰ひとりとしてクリスの救出を諦めなかった。そしてデイヴは、命綱が切れる直前にクリスと交わした「必ず助ける」約束を果たすため、再び荒れ狂う海中へと身を投じるのだった……。
引用元:映画『ラスト・ブレス』公式サイト