【レビュー】近畿地方のある場所について

近畿地方のある場所について
引用元:映画『近畿地方のある場所について』公式アカウント(公式X)

レビュー

終始不気味なオカルトホラー

本作は「呪怨」や「リング」のようなゴースト系ホラーではなく、どちらかというと「きさらぎ駅」のような正体不明な感じの不気味さが終始漂っているタイプのジャパニーズホラーです。

呪怨」や「リング」のような明確なホラーアイコンと言われるキャラクターはメインとして描かれず、たくさんの不思議体験を繋ぎ合わせて浮かんでくる真相を追っていくというスタンスなので、最初の方はそこまでではなかった不気味さも積もり積もって気がついたときにはずっと背筋がゾクっとしているような作風でした。

こだわり抜かれたモキュメンタリー

モキュメンタリーとは、フィクションをわざとドキュメンタリー風に見えるようにストーリーや設定を仕立てて撮影するという手法のことをいうようです。

本作の劇中には、「ほんとにあった怖い話」や「ほんとにあった!呪いのビデオ」のように、1つ1つは独立した不思議な事件としてアーカイブされている映像なのですが、それらの映像を見ているととある事実につながっていることがわかるという設定のため、たくさんのモキュメンタリーが再生されます。

そのモキュメンタリーの作り込みがものすごくて、VHS時代独特なノイズだったりアナログ放送&ブラウン管時代を思わせるバラエティから、時代が変わるにつれてDVDやUSBに入れられた録画データなど、実際に当時流行っていたテレビ番組や動画配信サイトを模しているのが、ものすごいリアルで、本当にこれらの映像が現実世界にもあったのではないか?と思わされるほどでした。

まとめ

ここ近年でここまで不気味な感じで長時間不安を覚えさせられる映画は久々な感じがありました。

もし続編が作られるようであれば、本作で仕込まれた設定類をどのように昇華していくのかが楽しみです!


作品情報

あらすじ

「行方不明の友人を探しています。」
…から始まる衝撃展開の連続!

これは、あなたを“ある場所”へと誘う、<近畿の>禁忌の物語。

行方不明になったオカルト雑誌の編集者。
彼が消息を絶つ直前まで調べていたのは、幼女失踪、中学生の集団ヒステリー、心霊スポットでの動画配信騒動など、過去の未解決事件と怪現象。

彼はなぜ消息を絶ったのか?いまどこにいるのか?
同僚の編集部員は、女性記者ともに彼の行方を探すうちに、恐るべき事実に気がついた。

すべての謎は「近畿地方のある場所」へとつながっていたのだった…。

引用元:映画『近畿地方のある場所について』公式サイト

トレーラー