【レビュー】ジュラシック・ワールド/復活の大地

ジュラシック・ワールド/復活の大地
引用元:ジュラシック・ワールド(公式X)

レビュー

目指したかったのは原点回帰?

本作は一度三部作で完結した「ジュラシック・ワールド」シリーズの続編にあたる作品で、「ジュラシック・パーク」シリーズとして数えると7作目にあたります。

正直なところ前作の「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」でお祭り同窓会的な感じで終われたのに、まだ続編作るのかとは思いつつも、「ジュラシック・パーク」シリーズが好きな映画のトップ3に入るシリーズなので楽しみにして鑑賞しました。

ジュラシック・ワールド」シリーズを冠しているとはいえ、続投キャラクターがいるわけでもなく、「ジュラシック・ワールド」と続編の立ち位置を取るよりも、「ジュラシック」だけ残して作り直しても良かったのではないか感が否めない感じがしました。

本作の見どころは陸・海・空の三要素を支配する恐竜との戦い。登場するキャラクターは目の前に現れる恐竜に感動しつつもミッションを遂行していきます。

その様子は「ジュラシック・パーク」を意識したものだろうなと思わせる表現が多々あるのですが、そもそも「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」の続編として作ってしまっているが故に普通に現代社会に恐竜が解き放たれた世界での話。そりゃ「ジュラシック・パーク」で感じたロマン感も薄れますよね…。

きっと原点回帰を目指したかったとは思うのですが、どうしても真新しさは感じられませんでした。

強いていえば海。「ジュラシック・ワールド」から登場したモササウルスや、本作から現実世界でも話題に上がった新解釈で、実は水棲生物であるとされたスピノサウルスのハラハラ感は、どのシリーズでも描ききれていなかったシーンで、本作において最大の見せ場といっても過言ではないでしょう。

二兎を追う者は一兎をも得ず感

大好きな「ジュラシック・パーク」シリーズなのであまり辛口な評価はしたくないのですが、本作に関してはいろんなところで期待外れ感を強く感じてしまいました。

それは、ストーリー設定・キャラクターの魅力・恐竜の設定(チョイス)などなど、細かいところは言及しませんが、鑑賞後思い返してみると、どうしてそうなった??っていう場面がちらほら。

ネタバレにならないであろう点で1つ話すとするならば、本作で主人公となるスカーレット・ヨハンソンの吹き替えを担当した松本若菜が、まぁここ数年で確実にトップ5に入るレベルの棒読み。

これは単純にゲスト声優となる松本若菜の実力不足なのか、それとも「アベンジャーズ」でスカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの吹き替えを担当した米倉涼子も当時棒読みだと不評だったことを考えると、スカーレット・ヨハンソンの演技や声のトーンから日本人が演じるとどうしても棒読みっぽくなりやすい演技なのか…?

まとめ

題材としては「ジュラシック・ワールド」シリーズで作られた下地のおかげで、面白い設定にはなっているものの、「ジュラシック・パーク」シリーズの重圧に負けてしまった感が否めないなというのが本作の正直な感想です。

これが仮に「ジュラシック・パーク」シリーズではないB級パニックホラーであれば、もう少し見方が変わって評価も違ったかもしれません。


作品情報

あらすじ

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から5年。
かつて世界中に放たれた恐竜たちは、気候や環境に耐えられず数を減らし、今は赤道直下の限られた地域にだけ生息していた。

秘密工作の専門家ゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)は、製薬会社の代表マーティン・クレブス(ルパート・フレンド)から、ある危険な任務を引き受ける。
それは、人類を救う新薬を開発するため、陸・海・空の3大恐竜のDNAを採取するというものだった。

チームとして集められたのは、ゾーラが最も信頼する傭兵ダンカン・キンケイド(マハーシャラ・アリ)と古生物学者ヘンリー・ルーミス博士(ジョナサン・ベイリー)。
チーム一行は、かつてジュラシック・パークの極秘研究が行われていた“禁断の島”へとたどり着く。
そこは陸・海・空のどこから恐竜が襲ってくるかわからない、地球上で最も危険な場所だった。

そして彼らは、世界から長年のあいだ隠されてきた、衝撃的な秘密とも直面することになる──

引用元:作品情報|映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』公式サイト

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