引用元:パラマウント・ピクチャーズ(日本版)(公式X)
レビュー
当時絶大な評価を得たグラディエーターの続編
本作、「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」は、2000年に公開された「グラディエーター」の続編となっています。
前作では今となってはいろんな作品に引っ張りだこのラッセル・クロウやホアキン・フェニックスが出演されており、アカデミー賞・ゴールデングローブ賞を受賞など、当時話題を攫いました。
そんな前作から14年、期待が膨らんだ状態で、主人公も死亡したストーリーからどのように物語を描いていくのが、いかに難しいかというのは想像に容易いかと思います。
主人公は前作の主人公のマキシマス
本作の主人公は前作ではまだ子供だったルキウス・ウェルス。
前作の終盤に叔父にあたるコモドゥスが死去した後、ローマの王政が変わることにより避難していたという背景で、名前をハンノと名乗りローマ軍から隠れて暮らしています。
序盤はハンノが主軸となった全く別のグラディエーターの物語かと思っていたら、前述の通りルキウス・ウェルスがハンノの正体でしかもその父親が前作の主人公マキシマスというところで驚きがある展開だったのですが、何を思ったのか、ルキウス・ウェルスの父親が前作の主人公マキシマスというのを予告の時点でネタバレ。
14年前の作品であるためマーケティングとしてこのネタバレを決めたものとは思いますが、もうちょっとやり方がなかったものかと疑問。
そもそも父親が前作の主人公マキシマスというのは無理がなかったのか?というのも疑問。
というのも、前作の主人公マキシマスには別で妻子がおり、コモドゥスの企みによりその妻子は生きたまま焼かれ、その復讐心からローマに立ち向かうという物語だったため、急に本作の主人公ルキウス・ウェルスの父親が前作の主人公マキシマスと言われても受け止めきれないというのが正直なところでした。
ルキウス・ウェルスの心情の変化
ルキウス・ウェルスはハンノと名乗り妻と暮らしていました。そのような日常がローマ軍によって、崩壊し最愛の妻も失うというのがあらすじです。
当然ローマ軍に怒りを露わにするルキウス・ウェルスですが、母親がローマ側にいることや皇帝の圧政など、さまざまな要因により、目的が変わっていくように感じました。
それを思うと、前作の主人公のマキシマスの行動は終始一環しており、迷うことなく目的を達して人生に幕を閉じるのですが、今作の主人公のルキウス・ウェルスと見比べると、どうしても信念が揺らいていたり、心情が少々うつり気に見えてしまい残念に思えてしまいました。
まとめ
どうしても前作の「グラディエーター」との出来栄えを比べられてしまうというのが本作の悲しい点ではあるのですが、ローマの歴史や手に汗を握るアクションなど、見どころはたっぷりあったと思います。
「グラディエーター」も一緒に本作も鑑賞させることをおすすめします。
作品情報
あらすじ
すべてを奪われた男の、 誇りをかけた戦いが始まる
ローマ帝国が栄華を誇った時代――。
引用元:映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』公式サイト
平穏な暮らしを送っていたルシアス(ポール・メスカル)は、将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)率いるローマ帝国軍の侵攻により愛する妻を殺され、捕虜として拘束されてしまう。すべてを失いアカシウスへの復讐を胸に誓ったルシアスは、謎の奴隷商人・マクリヌス(デンゼル・ワシントン)に買われ、ローマへと赴くことに。そこで剣闘士《グラディエーター》となった彼は、復讐心を胸に、力のみが物を言うコロセウム《円形闘技場》で待ち受ける戦いへと踏み出していく――。