引用元:映画配給 ギャガ株式会社(公式X)
レビュー
非日常なのに日常系のアニメ
突如として上空にGANTZ球のような物体が現れ、それが宇宙船の母艦に変形したものが常に浮いているという非日常の状態から少し時間が経った日本が舞台です。
人間は慣れることができる生き物なので、上空に宇宙船母艦が浮いているなんていうあり得ない非日常であっても3年という月日が経つことで日常に変わってしまい、宇宙船母艦のせいで日照が悪いだの、宇宙船母艦に対して対策するための税金がどうのこうのっていうデモが行われるような世界観になっています。
そんな中でなんでもない普通の仲良し女子高生5人グループのほのぼのとした日常を描くところからストーリーが展開していきます。
個性豊かなキャラクター
主人公を含む仲良し女子高生5人グループをはじめとする登場キャラクターはどのキャラクターもとても個性的です。
担任の先生に恋する主人公の小山門出、深夜までFPSに興じるちょっと不思議ちゃんな中川凰蘭。
個人的に好きなキャラクターは中川凰蘭の兄の中川ひろし。日々ネットを監視していてSNSにクソリプを送りつけるのが趣味というおデブなキャラクター。この趣味について意気揚々と語っているシーンでは映画館内でも笑いが上がっていました。
豪華でハマり役な声優陣
主人公となる2人の女子高生にはそれぞれ、小山門出(CV:幾多りら)、中川凰蘭(CV:あの)と今をときめく2人が声優を務めています。
特に中川凰蘭演じるあのちゃんはキャラクター性とあのちゃんの感じがめちゃめちゃピッタリで全く違和感なく楽しむことができました。
他にも、諏訪部順一さん、津田健次郎さん、杉田智和さんなど重鎮の声優さんたちも。
そして何より先日急逝されてしまった、長年ちびまる子ちゃんを演じていたTARAKOさんがメインのキャラクターではありませんが出演されています。
実際のところどうなのかはわかりませんが、本作のデッドデッドデーモンズデデデデストラクション(後章も出演するのかな?)が、ちびまる子ちゃんを除くとおそらく最後の遺作となったのではないでしょうか。
ボリューミーなストーリー構成
本作は前章と後章の2部作に別れていて、後章は5/24に公開されます。
前章だけでも上映時間がおおよそ2時間とかなりボリュームがあり、登場キャラクターの個性や非日常なのに日常的な世界観など、どこをとっても濃い味で満足度が高く、よく分割構成の場合にある「ここで終わるの!?」というような感じではなく、「ちょっと休憩しようか」的な満腹感の状態で前章を見終えるような感覚になりました。
まとめ
本作がテーマ・コンセプトとして持っているものがちょっと重そうな部分もありながら、日常と非日常をすごく個性的なキャラクターで上手く表現されていて、笑いあり涙ありで楽しく鑑賞することができました。
ただ後章が2ヶ月先となるので、この期間で記憶が薄れてしまいそうなのがちょっと心配。
後章の前に改めて復習ができる機会、もしくは後章の最初の方に振り返りパートを用意してもらえるとありがたいですね。
TV放送のアニメとしてではなく映画としてやることにどういった意図があるのか?というのも、後々のメイキング・インタビューなどで語られそうな気もするので、後章に期待して楽しみに待つことにします。
作品情報
あらすじ
東京でハイテンション女子高生ライフを送る、小山門出と“おんたん”こと中川凰蘭。
学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、
3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした巨大な〈母艦〉が浮かんでいた。非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、仲良しクラスメイトに悲劇が起こる。
衝撃と哀しみに打ちのめされる二人。
そんな中、凰蘭は不思議な少年に出会い「君は誰?」と問いかけられる。
その途端、凰蘭の脳裏に、すっかり忘れていた門出との過去が一瞬にして蘇る――!
引用元;映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 公式サイト