引用元:映画配給 ギャガ株式会社(公式X)
レビュー
前章から続く解決編
前章では、東京に宇宙船の母艦が滞在するという非日常的な現代パートと、片田舎の浜辺で起こった不可思議な体験の過去パートの2パートが並行して描かれていました。
なぜ宇宙船の母艦が現代に現れることになったのか、その秘密は過去パートにあるのか?と思いながら前章の過去パートを見ていましたが、ストーリーが進めば進むほど現代のこの状況には繋がらなくないか…?となるような展開に。
一見かけ離れてしまった現代と過去のパートですが、この2つを後章では結びつけてくれる秘密が明かされます。
ますます個性的に描かれるキャラクター
前章を見た感想として、登場する人物が本当にみんな個性豊かで魅力的に感じました。
後章では前章から少し時間が流れて主人公の門出と凰蘭も大学生となり、登場キャラクター間の関係性も微妙に変化。
担任の教師に恋をする門出も「教師と生徒」の関係では無くなり、一人の大人の女性としてみてもらえるように努力したり、より思想が過激になり過激派集団のトップに上り詰めた小比類巻君、片田舎から大学入学のために上京してきたふたばとマコト、大学の先輩でオカルト研究会の会長を務めるブロッコリー尾城先輩などなど。
侵略者となる宇宙人の中でも、さまざまな工夫でキャラクターデザインされた宇宙人が多く登場したりと、前章よりも多くのキャラクターが登場し、前章にいたキャラクターたちもパワーアップしています。
侵略者・宇宙人の詳細
後章では上空に滞在していた宇宙船が爆発の危機に瀕します。
なぜ宇宙船は爆発することになってしまったのか。そして侵略者・宇宙人はなぜ大々的な侵略行動に出るわけでも無く長期間母艦を滞空させ続けていたのか。侵略者・宇宙人の目的は?正体は?侵略者・宇宙人たちは細かなキャラクターデザインの違いはあるものの、基本的には一律同じ容姿をしていますが、そんな中、一人だけ地球人と同じ姿をする大葉くんは一体なにものなのか?などなど、気になることが山ほどあります。
これについて劇中で詳細な背景はあまり言及されていませんが、地球に送られてきた侵略者・宇宙人たちにも故郷があり、家族があり、人間と同じく思想が異なる派閥があったりと、ちょっぴり人間臭い感じのある部分が描かれています。
原作はまだ読んでいないのでわからないのですが、映画という尺に限りがある中で表現・言及を削らざるを得なかったのか、もう少しこの侵略者・宇宙人についての詳細な情報が欲しかったなというのが素直な感想です。
まとめ
基本は日常系な舞台なのに、そこに非日常が「日常」になってしまっているという異質な世界観の本作。
後章はエンディングに向けて前章に蒔いた伏線を回収しつつ駆け抜けていったなという印象があります。
そんな中、前述したように少し説明不足というか、もう少し詳細が欲しい!といった箇所がいくつか残ってしまったのが若干の心残りながらも、逆を言えばそれがそのまま考察が捗る機会になっています。(もしかするとTVアニメシリーズで展開していればもう少し違っていたかも?)
その点はもしかすると原作を読めば解消できるところがあるのかも?今度セールになっていたら買ってみようかと思います。
そして後章の衝撃的なエンディング。この後の後日譚も可能であれば漫画でも映像でもいいのでどこかで描いていて欲しい…!
最初はノーマークでジャケを見てたまたま見てみようと思った本作ですが、とても個性的なキャラクターと引き込まれる世界観とで、前章・後章合わせてとても好きになれる魅力がたっぷり詰まった作品だと思いますので、まだ未鑑賞のかたはぜひ一度見てみてください!
作品情報
あらすじ
入試に合格し、亜衣や凛と同じ大学に通うことになった門出と凰蘭。
大学では竹本ふたば、田井沼マコトと意気投合、会長の尾城先輩がいるオカルト研究会に入部してキャンパスライフが始まった。
一方、宇宙からの〈侵略者〉は東京のそこかしこで目撃され、自衛隊は無慈悲な駆除活動を粛々と実行していた。
上空には、傾いて煙が立ち上る母艦。政府転覆を狙い〈侵略者〉狩りを続ける過激派グループ・青共闘の暗躍。
世界の終わりに向かうカウントダウンが刻まれる中、凰蘭は、またもあの不思議な少年・大葉に遭遇する…。
引用元;映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 公式サイト