引用元:映画『爆弾』公式(公式X)
レビュー
イライラが伝わってくるミステリー
日本中を震撼させた衝撃作『爆弾』。原作は呉勝浩による同名小説で、数々のミステリーランキングで1位を獲得した話題のベストセラーです。
何の変哲もない日常の中で始まる爆発事件。その“普通”が崩れ落ちる瞬間に、観客は一気に世界へ引きずり込まれます。舞台は東京。突如として発生する連続爆破事件は、街全体を恐怖に陥れます。
そして事件の中心に立つのが、ごく普通の中年男性・スズキタゴサク。
彼の「霊感で事件を予知できる」という一言から、物語は恐ろしいほどのスピードで転がり始めます。
口先だけの虚言なのか、それとも何か重大な意味があるのか。視聴者は、警察と同じ目線で真実を探らざるを得ません。取調室でひとつひとつ言葉を交わすたびに、張り詰めた空気が増していくのを肌で感じます。
スズキの謎解きは観客をも巻き込み、まるで自分が事件の一員であるかのような錯覚を覚えます。
「次の爆発はどこなのか?」という問いが、スクリーンの外でも頭の中を離れません。映像の切り替え方、音の使い方、そして会話のテンポ。すべてが精密に組み合わさっており、ひとつのシーンを見逃すだけで謎を解く糸口を失いそうになる。この没入感こそ、『爆弾』の最大の魅力だと言えます。
個性的なキャラクターにピッタリなキャスト
まず注目すべきは、佐藤二朗が演じるスズキタゴサク。これまでのコミカルな印象とは一線を画し、狂気とユーモアが入り混じった独特の存在感を放ちます。
彼の静かな微笑みですら、次の瞬間に何かが爆発しそうな緊張感を生み出すのです。本当にサイコパスなのではないかと思わせるほどのリアリティで、観る者を翻弄します。まるで取調室が舞台の劇のように、彼の一挙手一投足が物語のテンポを支配しているように感じられます。
一方、山田裕貴演じる類家は、最初はごく普通の捜査官として登場します。しかし物語が進むにつれて、次第にその知性と胆力が浮かび上がってきます。スズキのクセのある話しぶりに振り回されながらも、冷静に真相へと迫っていく。その駆け引きの妙が、この作品に深みを与えています。類家のキャラクターが、観客の感情の軸になっていると言っても過言ではありません。
まとめ
緻密なストーリー構成、緊迫の演技合戦、そして圧倒的な演出力。どの要素をとっても高水準でまとまっています。
映画館の暗闇でぜひ、この爆弾級の緊張感を味わってください。心臓の鼓動すら演出の一部に感じられる、そんな稀有な一本です。
作品情報
あらすじ
街を切り裂く轟音と悲鳴、東京をまるごと恐怖に陥れる連続爆破事件
すべての始まりは、酔って逮捕されたごく平凡な中年男・スズキタゴサクの一言だった
「霊感で事件を予知できます。これから3回、次は1時間後に爆発します」
爆弾はどこに仕掛けられているのか? 目的は何なのか? スズキは一体、何者か?
次第に牙をむき始める謎だらけの怪物に、警視庁捜査一課の類家は真正面から勝負を挑む
スズキの言葉を聞き漏らしてはいけない、スズキの仕草を見逃してはいけない
すべてがヒントで、すべてが挑発密室の取調室で繰り広げられる謎解きゲームと、東京中を駆け巡る爆弾探し
「でも爆発したって別によくないですか?」
引用元:映画『爆弾』公式サイト
― その告白に日本中が炎上する




