【レビュー】あのコはだぁれ?

あのコはだぁれ?
引用元:映画『あのコはだぁれ?』公式(公式X)

レビュー

これぞ和製ホラーの王道

海外映画でいうところのホラーはグロテスクで痛々し描写が多く、ジャンプスケアと呼ばれる「びっくり」させる演出が多い印象です。

その点、和製ホラーにはグロテスクな表現は控えめで、ジャンプスケアも海外映画よりも少なく、背筋がゾクゾクっとするような表現の映画が多いという印象です。

本作、「あのコはだぁれ?」は「呪怨」や「犬鳴村」といった和製ホラーを出している清水崇監督による王道の和製ホラーです。

特に本作では、ジャンプスケアの手法が使われているシーンが極めて少なく(なんなら無かったのではないかとすら思う)、純粋に心霊・悪霊が起こす怪奇現象がジワジワと背筋を冷たくさせてくれます。

そのため、ジャンプスケアが苦手な方にもおすすめできる作品になっているかと思います。

ミンナのウタから繋がる高谷家の呪い

清水崇監督が送る「ミンナのウタ」という映画があります。

本作、「あのコはだぁれ?」でも登場する高谷家が初登場したのがこの「ミンナのウタ」となっており、物語の途中から登場する校長先生や探偵も「ミンナのウタ」にも登場しており、高谷さなの呪いを描いています。

とはいえ、「ミンナのウタ」を見ていないと本作が見れないのか?というと決してそのようなことはなく楽しむことができます。

本作は「ミンナのウタ」と比べると、高谷家と学校にフォーカスした物語となっており、高谷さなのもつバックグラウンドに深みを持たせてくれます。

また「ミンナのウタ」ではGENERATIONSのメンバーを起用することによるファン層獲得を目的としていそうな意図を感じましたが、本作では渋谷凪咲を主演としているあたり、客層を広げる集客という観点よりも、しっかりホラー映画に集中できる作品に仕上がっているのではないかなと感じます。

ホラーアイコンとしての高谷さなのポテンシャル

ホラーアイコンとは、貞子やチャッキーのように、特定のホラー映画のキャラクターといえば!のような存在のことを指します。

近年、特に日本のホラー映画からはホラーアイコンと呼ばれるようなキャラクターはほとんど登場していない印象でした。(すでにその地位を確立した貞子・伽耶子・俊雄くんが印象強すぎる感はある)

そんな中、本作と「ミンナのウタ」で活躍した高谷さなは、貞子のようにカセットテープを呪いを頒布する媒体として利用し、伽耶子のように自分のテリトリーに誘い込む力を持ち、俊雄くんのように神出鬼没という日本のホラーアイコンのいいとこ取りのような存在で、一度高谷さなを見たらもう脳裏から離れてくれないほどのホラーアイコンとしての魅力があります。

そして何より高谷さなが可愛い。これめちゃめちゃ大事で、近年の貞子もYoutube等でめちゃカワな路線で宣伝していたり、伽耶子もとても美人で俊雄くんも愛嬌があって日本ホラー好き界隈ではそのキャラクターごと愛されていて二次創作もたくさんあり、映画の人気を支えています。

まとめ

本作、「あのコはだぁれ?」は、和製ホラーの入門としてすごく良い作品だなと感じていて、今までなんとなくホラーは見てこなかったという人にもおすすめできる作品になっているかと思います。

海外で言うところの悪魔・エクソシスト系にテイストとしては近いかなと思っているので、もしかすると外国人ウケもいいかも?

ただ映画のタイトルに「呪怨」のような規則性のある命名がないので、今後の続編展開を見逃さないようにしたいです。


作品情報

あらすじ

ある夏休み。補習授業を受ける男女5人。
この教室には、“いないはずの生徒” がいる──。

とある夏休み、臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか(渋谷凪咲)の目の前で、ある女子生徒が 突如屋上から飛び降り、不可解な死を遂げてしまう。
“いないはずの生徒”の謎に気がついたほのかと、補習を受ける生徒・三浦瞳(早瀬憩)、前川タケル(山時聡真)らは、“あのコ”にまつわるある衝撃の事実にたどり着く……。
彼らを待ち受ける、予想もつかない恐怖とは……?

引用元:映画『あのコはだぁれ?』公式サイト|大ヒット上映中

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