【レビュー】あの人が消えた

あの人が消えた
引用元:映画『あの人が消えた』公式(公式X)

レビュー

ホラーかと思わせる本格ミステリー

トレーラーを見たときの印象として、「事故物件」「神隠し」「不審者」などと物々しい単語が並んでおり、その雰囲気からこれはホラーなのか?と思わせるような内容でした。

しかし実際に見てみた感想として、ホラー系の要素はかなり弱く(全く無いとは言わない)、劇中に発生する出来事の真相を暴く本格ミステリーな出来栄えでした。

本作は劇中でいくつかの章に分かれており、それぞれの章ごとに発生する不可解な出来事に対する印象が変わるような構成となっています。

小説家になろうが協賛

アニメの界隈などでよく聞く、いわゆる「なろう系」という語源の発祥元となる「小説家になろう」が本作に協賛として劇中に登場します。

ちょろっと登場している程度ではなく、しっかり小説家になろうの特徴をいい感じに活かした使われ方をしており、知らなかった人には知る良いキッカケになったのではないでしょうか?

最初、本作の原作は小説家になろうの中にあった小説なのかな?とも思ったのですが、完全オリジナルストーリーと銘打たれていたので、直接的な関わりがあるわけではないようです。

おそらく公式サイトに記載されているように、監督がコロナ禍で小説になろうをよく見ていたとかそういったところからの繋がりなのかな?と想像しています。

本作を見終わった人へ

トレーラーの最後に「この映画の結末は誰にも話さないでください」と念押しされるのが一つ印象的です。

映画やアニメなんかは当然のようにネタバレは厳禁というのが常識かと思いますが、念押しされるほどに本作の仕掛けは時には驚き、時には考えさせられるものがありました。

そして本作を見終わった人に改めて最初から思い返してこの仕掛けを深掘りしてほしいです。

この作品、もしかすると見終わってもなお考察しがいのある物語になっているかもしれません。(考えすぎかもしれないですが。)

そのくらい、まだ何か気づいていない仕掛けがあるのではないか?と思わせるような物語になっていると思わされました。

まとめ

当初予想していたホラーテイストな話かなと思いきや、思ってた以上に本格的なミステリーで、作中の仕掛けも面白く、見終わった後にも考察しがいのあるような、想像以上に頭を使わされた作品でした。

ミステリー好きにはきっとハマる内容になっているので、おすすめです!


作品情報

あらすじ

「次々と人が消える」と噂される
いわくつきのマンションの担当になった配達員・丸子(高橋文哉)。

日々マンションに出入りして荷物を届ける彼は、
その住人のひとり・小宮(北香耶)は自身が愛読している
WEB小説の作者ではないか? と察して、密かに憧れを抱いていく。

しかしその一方で、挙動不審な住人の島崎(染谷将太)に
小宮のストーカー疑惑が持ち上がり、
丸子は運送会社の先輩で小説家志望の荒川(田中圭)の協力を仰ぎ、
他の住人たちに聞き込みを開始。

引っ越し先を探しているという沼田(袴田吉彦)や、
詮索好きのおしゃべりな女性・長谷部(坂井真紀)から
「島崎の部屋に血だらけの女がいた」「血痕が付いた服を着た姿を見た」という
とんでもない目撃情報を聞き、彼を危険人物と断定する丸子。

小宮を守りたい一心で部屋に単身侵入を試みるが、
運悪く帰宅した島崎と鉢合わせてしまう!

時を同じくして、世間を揺るがす大事件を追っていた警視庁がマンションに接近! ?
一触即発の緊張感が流れ始めるなか、事態は思わぬ方向へと突き進んでいく──。

引用元:映画『あの人が消えた』公式サイト

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